フリーランスとして独立した最初の1年、やるべきことが山積みで「税金のことは後回し」になっていませんか?
でも実は、1年目から知っておくべき節税の基本があります。これを知らずに確定申告してしまうと、払わなくてもよかった税金を払い続けることになるんです。
この記事では、フリーランス1年目の方が必ず押さえておきたい「控除制度」を5つに絞ってわかりやすく解説します。難しい専門用語はできるだけ使わずに説明しますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
そもそも「節税」って何をすること?
節税の話をする前に、まず大前提を確認しましょう。
税金は「所得」に対してかかります。所得とは、売上から経費や各種控除を引いた残りの金額のことです。
売上 ー 経費 ー 控除 = 所得(課税対象)
つまり合法的に控除を増やすことが、節税の基本です。脱税とは全く異なります。「使えるはずの控除を、ちゃんと使う」というシンプルな話なんです。
たとえるなら、スーパーのポイントカードみたいなものです。ポイントは貯まっているのに「使い方がわからなくて」失効してしまうのと同じで、使える控除を知らずに損している方がとても多いんです。
フリーランス1年目に知っておきたい控除 5つ
① 青色申告特別控除(最大65万円)
フリーランスが使える控除の中で、最もインパクトが大きいのがこれです。
青色申告とは、一定のルールに従って帳簿をつけて確定申告をする方式のことで、白色申告(簡易的な申告方式)と比べて手間はかかりますが、最大65万円を所得から差し引くことができます。
たとえば所得が400万円あった場合、青色申告特別控除を使えば所得を335万円として税金を計算できます。税率によっては数十万円の差になることも。
注意点
- 開業後2ヶ月以内に「青色申告承認申請書」を税務署に提出する必要があります
- e-Taxで申告するか、貸借対照表を添付する場合に65万円控除が適用されます
- 期限を過ぎると、その年は白色申告しか選べなくなります
フリーランスとして独立したら、真っ先に手続きすべきのがこの青色申告の申請です。
② 小規模企業共済の掛金控除
小規模企業共済とは、フリーランスや個人事業主のための「退職金制度」のようなものです。国の機関である中小機構が運営しており、毎月1,000円〜70,000円の範囲で積み立てができます。
そして何より重要なのが、掛金の全額が所得控除になるという点です。
毎月5万円(年間60万円)積み立てた場合、その60万円が丸ごと所得から引かれます。所得税と住民税を合わせた実効税率が30%の方なら、年間で18万円の節税効果になる計算です。
しかも積み立てたお金は解約時に返ってくる(受取方法によっては一時金・年金として受け取り可能)ため、節税しながら将来のお金も準備できる、非常に合理的な制度です。
③ 経費の計上(家事按分)
フリーランスの場合、自宅で仕事をしている方も多いですよね。自宅の家賃や光熱費、通信費などは「仕事で使った割合」を経費として計上することができます。これを家事按分といいます。
たとえば、自宅の1/3を仕事スペースとして使っているなら、家賃の1/3を経費にできます。月15万円の家賃なら、5万円が経費になるわけです。
按分できる主な費目
- 家賃・住宅ローンの利子部分
- 電気・ガス・水道代
- 通信費(スマートフォン・インターネット)
- 自動車(仕事での使用割合分)
重要なのは、合理的な根拠があること。仕事スペースの面積や、使用時間などをベースに、説明できる基準で按分しましょう。何となく「半分くらい」では、税務調査の際に否認されるリスクがあります。
④ 社会保険料控除
フリーランスは会社員と異なり、国民健康保険と国民年金を自分で全額払っています。これらの保険料は全額が所得控除の対象です。
年間の支払額は人によって異なりますが、国民健康保険だけで年間数十万円になるケースも珍しくありません。忘れずに控除として申告しましょう。
また、家族の分を自分が払っている場合も、その分を合算して控除できます。家族全員分の支払証明書や領収書を保管しておくことが大切です。
⑤ iDeCo(個人型確定拠出年金)
iDeCoは、老後に向けた資産形成のための年金制度ですが、節税効果も非常に高い制度です。
フリーランスの場合、毎月最大68,000円(年間816,000円)まで積み立て可能で、掛金の全額が所得控除になります。小規模企業共済と組み合わせることで、さらに大きな節税効果が期待できます。
ただし、原則として60歳まで引き出せないという制約があります。あくまで「老後資金の積み立て」として位置づけ、生活資金に余裕がある範囲で活用しましょう。
5つの控除をまとめると
| 控除の種類 | 最大控除額の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 青色申告特別控除 | 65万円 | 帳簿管理が前提、開業時に申請が必要 |
| 小規模企業共済 | 84万円(月7万円の場合) | 将来の退職金にもなる |
| 家事按分(経費) | 生活費の一部 | 合理的な根拠が必要 |
| 社会保険料控除 | 支払額の全額 | 自動的に控除対象(申告が必要) |
| iDeCo | 最大81.6万円 | 60歳まで引き出し不可 |
「節税すればするほどいい」は本当か?
ここで一つ、大切なことをお伝えしておきます。
節税は確かに手元のお金を増やす有効な手段ですが、やみくもに節税すればいいわけではありません。
よくある誤解が、「経費をたくさん使って所得を減らせばいい」という考え方です。でも冷静に考えてみてください。
100万円の利益に対して税金が30万円かかるとします。「節税のために」100万円を使って利益をゼロにしたとしたら、確かに税金は払わなくて済みます。でも手元に残るお金もゼロです。
一方、税金を払っても手元には70万円が残ります。
税金を減らすために必要以上にお金を使うのは、70万円を守るために100万円を使うようなもの。これでは本末転倒ですよね。
節税はあくまでも「払わなくていい税金を、正しく減らす」もの。手元のキャッシュフローを健全に保つことが最優先です。
フリーランス1年目こそ、専門家に相談を
ここまで5つの控除制度を解説してきましたが、実際には「自分の場合、何がどこまで使えるのか?」を正確に判断するのは簡単ではありません。
業種や売上規模、家族構成、生活状況によって最適な節税の組み合わせは変わってきます。また、申告のミスや記載漏れは、後から税務署に指摘されると追徴課税という形でまとめてお金を取られることにもなりかねません。
特にフリーランス1年目は、最初から正しい申告の習慣をつけることが、長期的に見て大きな差を生みます。
「税理士に相談するのはもっと事業が大きくなってから」と思っている方も多いですが、実は事業の初期段階から相談している方のほうが、無駄なコストや税金の支払いを防ぎやすいというのが現場での実感です。
川畑税務会計事務所では、フリーランスや個人事業主の方からのご相談も承っています。「何から聞いていいかわからない」という方でも、丁寧にヒアリングしながら対応しますので、ぜひお気軽にご相談ください。
まとめ
フリーランス1年目に知っておきたい節税の基本は、次の5つです。
①青色申告特別控除(最大65万円)
②小規模企業共済の掛金控除(将来の退職金にもなる)
③家事按分による経費計上(合理的な根拠が必要)
④社会保険料控除(支払額の全額が対象)
⑤iDeCo(最大月6.8万円、60歳まで引き出し不可)
そして最も大切なのは、「節税のためにお金を使う」のではなく、「使うべきお金を正しく経費にする」という考え方です。
正しい知識と適切な専門家のサポートで、フリーランスとしての出発を堅実にスタートさせましょう。
参考:会社のお金とは?社長が知っておくべき個人と法人の財布の違い【税理士解説】
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