令和5年分確定申告の締め切りとお得な方法(振替納税)

令和5年分所得税・消費税・贈与税確定申告の申告期限と納付期限

令和5年分の所得税・消費税・贈与税の確定申告の申告期限と納付期限は次の通りです。

申告が遅れたり、納税が納付期日を過ぎたりすると、「加算税・延滞税」がかかってしまうので注意が必要です!

所得税と消費税で申告期限と納付期限が異なりますので、注意が必要です。

川畑文秀

特に、インボイスを機に消費税を納めるようになった事業者の方は、初めての消費税申告という場合もあると思いますので注意してくださいね。

なお、後述の「振替納税」という制度を利用することで、納付期日が約1ヶ月後になる制度もありますので積極的に活用していきましょう!

所得税の申告期限と納付期限

申告期間:令和6年2月16日(金)~3月15日(金)

納付期限:令和6年3月15日(金)

消費税の申告期限と納付期限

申告期限:令和6年4月1日(月)

納付期限:令和6年4月1日(月)

贈与税の申告期限と納付期限

申告期間:令和6年2月1日(木)~3月15日(金)

納付期限:令和6年3月15日(金)

所得税と消費税は納付期日を約1カ月遅らせられる「振替納税」が便利

所得税・消費税については、振替納税という制度があります。

個人事業主であれば、必須と言えるほど便利でオトクな制度なので、絶対に手続きをしてください。

 

振替納税の3つのメリット

メリット1.支払を約1ヶ月遅らせられる

振替納税をすることで、本来の納期限(法定納期限)より1ヶ月程度支払いを遅らせることができます。

資金繰りの観点でも「支払いは遅く」という鉄則を守ることにもつながるので、有利な制度です。

本来は3月15日に納付ですから、申告期日ギリギリに税額が確定し、予想以上に税額が発生した場合でも、振替納税を利用していた方が余裕をもって納税することができます。

 

メリット2.自分で納付に行かずに済む(時短)

納付書による納付の場合、金融機関等へ行き、納付する必要があります。

最近は予約が必要だったり、支店の統廃合で混雑していたり、金融機関での納付も結構手間のかかるものです。

実際に納付へ行かずに税金を納めることができるので、時短になり、より経営に専念することができます。

 

メリット3.納付忘れのリスクが下がる

確定申告は税理士に頼めても、税金の納付は自分ですることになります。

すると「うっかり」納付を忘れてしまうことありますよね。

うっかりを許してもらえない世界ですから、忘れずに納付したいものです。

だからこそ自動振替で引き落としがされるようになっていることで、納付忘れを避けることができます。

一度手続きしてしまえば、対象の税目は次回以降も口座振替になるので安心です。

 

振替納税を積極的に活用するのがお得!

このように、振替納税を活用することで様々なメリットがあります。

  • 納付を1カ月遅らせることができます
  • 自分で納付に行かなくても良い
  • 納付忘れのリスクが下がる

この3つのメリットがあるだけでもお得ですので積極的に活用していきましょう!

振替納税の設定方法

振替納税したい税金の納付期限までに、「預金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書」を一度提出しておくだけで手続きができます。税目ごとに手続きは必要ですが、一度手続きをしておけば、同一税目の次回以降の納付も口座振替になります。

注意点:転居した場合には、新しい住所の所轄税務署に上記書類を提出する必要があります。

参考:国税庁HP[手続名] 申告所得税及び復興特別所得税、消費税及び地方消費税(個人事業者)の振替納税手続による納付

令和5年分申告の振替日

納付等の区分 振替日 本来の納期
所得税及び復興特別所得税の確定申告 令和6年4月23日(火) 令和6年3月15日(金)
消費税及び地方消費税の確定申告 令和6年4月30日(火) 令和6年4月1日(月)

国税庁HP主な国税の納期限(法定納期限)及び振替日  

個人事業主はオンラインで手続き可能

紙を出すのが面倒な人は、e-Taxの利用でオンラインによる手続きが可能です。

具体的には、スマートフォン又はパソコンから、e-Tax(SP版・WEB版)にログインし、入力画面に沿って必要事項を入力して、振替依頼書を送信するという手順です。

できる人はどんどんオンラインで手続きをするようにしていきましょう。

 

振替納税の注意点

注意点1.残高不足だと延滞税がかかる

振替納税を選択した場合、振替日に残高不足であると引き落としがされずに延滞税が掛かってしまいます。

振替実施日の口座残高には十分注意が必要です!

残高不足などの理由により、口座振替ができなかった場合は、所轄税務署に問い合わせてください。

 

注意点2.税金の種類や年度によって振替日が異なる

振替日は税金の種類(所得税・消費税)によって異なります。

また、その年によっても振替実行日が変わるので事前の確認が必要です。

去年はこの日に落ちたからもう大丈夫!とお金を引き上げてしまう、もしくは入金を忘れてしまって残高不足に・・・ということには十分気を付けましょう。

※今年度分については前述の通り。

注意点3.引っ越した場合再手続きが必要

現在の住所によって、所轄税務署が決まっているので、引っ越しした場合には注意が必要です。

引っ越しの際に、所轄税務署が変更になった場合には、新しい所轄税務署に、改めて「預金口座振替依頼書兼納付書送付依頼書」を提出しないと振替納税が利用できません。

振替納税のつもりでいたのに、新しい所轄税務署への申請忘れで納税ができていないと、延滞税が発生してしまった、、、こんなケースもよくあります。

 

まとめ

申告・納税期限

令和5年分の所得税、贈与税の確定申告・納税の期限は、3月15日(金)、消費税は4月1日(月)

お得な納税制度:振替納税

振替納税で納付を1ヶ月程度後ろ倒し可能になり、手続きはe-Taxで簡単にできる。ただし、残高不足や振替日には注意が必要。

 

忘れずに申告・納税しましょう!